バズ・ラーマン監督による圧倒的な色彩が、一九七〇年代サウス・ブロンクスの熱狂を鮮烈に描き出します。廃墟からヒップホップという新文化が産声を上げる瞬間を、ドキュメンタリーの生々しさとミュージカルの華やかさで見事に融合させた演出は、観る者の鼓動を確実に早めます。
言葉を武器に、混沌を生き抜く若者たちの精神性がジャスティス・スミスらの瑞々しい演技で魂へと響きます。絶望の中でリズムを刻み、何者でもない自分が自己を定義していく過程は、すべての創造者に捧げられた熱い讃歌であり、まさに映像でしか成し得ないエナジーに満ちています。