本作は、ドキュメンタリーというジャンルそのものへの深い敬意と愛が詰まった、映画ファンへの究極のラブレターです。単なるパロディの域を遥かに超え、過去の名作が持つ撮影手法や時代の空気感、さらにはフィルムの質感までもが狂気的なまでの情熱で再現されています。ヘレン・ミレンの重厚な語り口が、その虚構に圧倒的な説得力と本物の風格を与えている点は、本作最大の白眉と言えるでしょう。
フレッド・アーミセンらが見せる変幻自在の演技は、被写体の内面に潜む滑稽さと悲哀を鋭く切り出し、真実とは何であるかを観る者に問いかけます。映像表現の限界に挑み、虚実の境界を軽やかに飛び越えてみせる知的な遊び心こそが、本作の真骨頂です。名作たちの魂を換骨奪胎し、新たな芸術へと昇華させたその演出力は、映画を愛するすべての人を熱狂させるに違いありません。