本作が描くのは、囲碁の世界から放り出された未完の青年が、会社組織という盤上で泥臭く一歩を踏み出す痛切な人間賛歌です。見どころは冷徹なリアリズムと叙情性が同居する演出。イ・ソンミンの重厚な存在感とイム・シワンの繊細な演技が、働くことの孤独と誇りを鮮烈に浮かび上がらせ、観る者の魂を激しく揺さぶります。
原作ウェブトゥーンの哲学性を継承しつつ、実写ならではの「間の取り方」や音楽が、登場人物たちの体温を劇的に高めています。不完全なまま戦い続ける人々の尊さを、これほど誠実に描き切った傑作はありません。今この瞬間を生きる全ての人に捧げるべき、至高の人間ドラマです。