本作の真髄は、超能力という異能を得た若者たちが、混沌とする世界で己の正義を問う泥臭い葛藤にあります。幻想的な光る魚が東京の空を舞う独創的なビジュアルと、日常が音を立てて崩壊する戦慄の対比が、観る者の情緒を強烈に揺さぶります。木戸衣吹の、芯の強さと瑞々しさを併せ持つ演技は、特殊な力を背負う者の孤独と勇気を見事に体現しています。
映像ならではの白眉は、重力を無視したアクションの躍動感です。スピーディーな構成で描かれる超能力の流動的な美しさは、圧倒的な没入感をもたらします。他者と異なることへの戸惑いや信念の激突を描いた本作は、単なるバトルものに留まらない、真のヒーロー像を問い直す情熱的な人間ドラマへと昇華されています。