あらすじ
時は西暦20XX年-旧首都の姿は、昔の繁栄など見る影もなく荒廃していた。突如起こった事故の影響である。当時、住民の約90%が惨劇に見舞われた。あれから数十年・・・ 3人の少女が旧首都に降り立つ。彼女たちは一見、ごく普通の制服姿の高校生。だが実は、それこそが異常な光景なのである。なぜなら、この汚染された街で防護服を身に着けず生きられる人間など存在しないからだ。彼女たちの名はコッペリオン。汚染耐性を体内に有する人工的に生み出された人間である。陸上自衛隊第三師団特殊部隊に所属し、旧首都に残る人々を救出することが彼女たちの任務だ。廃墟となった旧首都を舞台に、“生命”をかけた物語が今はじまる・・・・。
作品考察・見どころ
死の街と化した東京の静謐な美しさと、そこに投げ出された少女たちの剥き出しの生命力が放つ強烈なコントラストこそが、本作の真骨頂です。独自の高彩度な色彩設計と幻想的な光の演出が、絶望に満ちたはずの世界をどこか神聖な場所へと変容させています。過酷な運命を背負う彼女たちが、自身の存在意義に葛藤しながらも懸命に命を救おうとする姿は、人間の尊厳とは何かを我々に鋭く問いかけてきます。
戸松遥、花澤香菜、明坂聡美ら実力派キャストが魅せる、極限状態ゆえの震えるような名演は観る者の胸を強く打ちます。映像表現でしか成し得ない「静寂の音」や「空気の重厚さ」を全編に漂わせる卓越した演出力は、まさに圧巻の一言。この美しくも残酷な世界観に一度触れれば、当たり前にある生命の輝きに対する認識が、根底から覆されるような衝撃を受けるはずです。