マイケル・J・フォックスという伝説的俳優が、自らのパーキンソン病という現実を、憐れみではなく最高級のユーモアへと昇華させた点に本作の真髄があります。病を克服すべき敵としてではなく、日常の一部として軽やかに、時にシニカルに笑い飛ばす彼の演技は、観る者に圧倒的な勇気を与えます。このセルフパロディ的なアプローチこそが、彼にしか成し得ない究極の表現と言えるでしょう。
脇を固めるベッツィ・ブラントら家族との掛け合いも絶妙で、どんな困難があっても変わらない絆と再生の物語が、一切の湿っぽさを排除して描かれています。単なるコメディの枠を超え、人生の不条理を笑いという武器で受け入れる強さを教えてくれる一作です。スクリーンに帰還した彼の輝きは、今もなお色褪せることがありません。