1977年のニューヨークという、混沌と狂気が支配する時代を鮮烈に切り取った本作は、単なるスポーツドラマの枠を遥かに超越しています。社会不安と野球への熱狂が交錯する中で、勝利への執念が人間のエゴを剥き出しにしていく様は圧巻です。崩壊寸前の都市と、栄光を掴もうとする者たちの姿が、重厚な人間ドラマとして結実しています。
ジョン・タトゥーロら実力派キャストによる、魂を削るような演技の応酬も見逃せません。エゴとプライドが激突する心理戦は、画面越しに火花が散るほどの緊張感を放っています。暴力的なまでの情熱が、どん底の街に光を灯していく過程は、観る者の心に強烈なカタルシスを刻み込むことでしょう。