米倉涼子演じる松平松子の、情け容赦ない美学が本作の真骨頂です。欲望渦巻く「金」の動きから人間の本質を暴き出すプロセスは、刑事ドラマとは一線を画す知的興奮を呼び起こします。脱税に立ち向かう彼女の姿は、社会の不条理を射抜く新たなヒーロー像として、観る者の心に鮮烈な輝きを放っています。
札束に隠された虚飾を剥ぎ取り、人間の業を晒すカタルシスは圧巻。共演陣との絶妙な掛け合いが重厚なテーマに軽妙なリズムを生み出し、視聴者を一気に物語の深淵へ誘います。正義とは、そして真の豊かさとは何かを鋭く突きつける、エンターテインメントの枠を超えた情熱的な人間賛歌です。