あらすじ
アヤカシを惹きつける血を持つ少年、四月一日君尋(染谷将太)。
彼は、アヤカシを視たり、憑かれてしまう体質を持っていることに悩みを抱いていた。
ある日、“ミセ"と呼ばれる妖しい屋敷に迷い込んだ四月一日は、女主人の壱原侑子(杏)と出会う。
侑子は、来訪者の願いを“対価"と引き換えに不思議な力でかなえることができるというのだ。
侑子は、四月一日が自分に願うように促し、その“対価"として半ば強制的に四月一日をバイトに雇う。
四月一日はバイトをする中で、悩みを抱えた人間や人でない者等の不思議な客と出会い、奇怪な出来事に遭遇していく‥‥。
作品考察・見どころ
本作は、人間の業や欲望の深淵を美しくも残酷な映像美で描き出しており、特に壱原侑子を演じた杏の圧倒的な存在感と浮世離れした佇まいが作品の芯を貫いています。染谷将太の繊細な演技が、異界の住人たちの中で唯一「生身の人間」としてのリアリティを際立たせ、観る者を日常のすぐ裏側に潜む非日常へと強烈に引き込みます。
原作の耽美な描線をあえて実写ならではの濃密な陰影と質感に置き換えたことで、対価と必然という哲学的なテーマがより生々しく心に突き刺さります。二次元の様式美を現実の奥行きへと昇華させた演出は、映像でしか表現できない妖艶な空気感を生んでおり、己の選択が運命を形作るという真理を鮮烈に提示しています。