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1999年の作品ながら、本作が放つ退廃的で妖艶な美学は今なお色褪せません。最大の魅力は、関俊彦氏が演じるD伯爵の底知れぬ佇まいにあります。静謐な語り口から漏れ出す冷徹さと慈愛が混ざり合った演技は、視聴者を瞬時に異界へと誘います。欲望を映し出す鏡のようなショップを舞台に、人間が抱く業や孤独が浮き彫りになる演出は圧巻です。 本作の本質は、恐怖の先に「愛の歪み」を問う哲学にあります。契約を破る人間の愚かさと、それを見つめる伯爵の達観した眼差し。さらに小野坂昌也氏演じる刑事レオンとの危うい緊張感が物語を加速させます。映像美の中に潜む、人間の深淵に触れる鋭いメッセージ性が心に深い爪痕を残す、耽美な心理ホラーの傑作です。
監督・制作: Matsuri Akino
制作会社: Madhouse