ジャン=ポール・ベルモンドの圧倒的な饒舌さと、ヌーヴェルヴァーグ特有の瑞々しい躍動感が、わずかな時間の中に凝縮されています。男の身勝手な愛と執着に満ちた独白が、即興的な演出によって、滑稽でありながらも切実な人間模様へと昇華されている点が最大の見どころです。
画面を支配するベルモンドの軽妙な身体表現は、言葉の洪水を超えたエモーションを観客に叩きつけます。沈黙を守る女性との対比が、愛におけるコミュニケーションの断絶という深淵なテーマを浮き彫りにしており、単なるコメディの枠に収まらない、映像表現の原初的な喜びと毒を存分に味わえる珠玉の一作と言えるでしょう。