あらすじ
父を亡くし、旅の途中で母も失ったペリーヌは、フランス・マロクールで織物工場を経営する祖父ビルフランの元に身を寄せようと旅を続けていた。しかしペリーヌは、祖父が優しさやいたわりを知らない孤独で冷徹な人間であることを知る。オーレリィと名を変えマロクールでの生活を始めたペリーヌは、ビルフランに通訳の才能を認められ、孫であることを知らせないまま秘書を務めることに。やがてビルフランは、ペリーヌの優しい心に触れていくうちに人を思いやる心を持つようになる。そして冬のある日、ペリーヌはついにオーレリィでなく、本当の孫として祖父と再会を果たすのだった。
作品考察・見どころ
本作の真髄は、過酷な運命に翻弄されながらも、知性と品位を失わずに自立していく少女の精神性にあります。単なる悲劇に留まらず、旅路で培ったサバイバル能力や事務能力を武器に、厳しい労働環境の中で自らの居場所を切り拓いていく構成は、現代の社会人にも通じる強靭なカタルシスを与えてくれます。
鶴ひろみの瑞々しくも芯の強い演技は、主人公の孤独と誇りを見事に体現しています。冷徹な祖父の心を溶かしていく過程で描かれるのは、血縁を超えた人間愛と赦しの尊さです。リアリズムを追求した重厚な演出が、一人の少女が「自分は何者か」を証明するまでの軌跡を、魂を揺さぶる至高の人間ドラマへと昇華させています。