元気いっぱいの野々原姫子の前に、顔がそっくりな魔法の国の王女エリカが現れる。エリカは王位継承権を引き継ぐために、姫子を1年間観察する修行を姫子にお願いする。その代わりに貸してもらった赤いリボンは、誰にでも変身できる魔法のリボンだった。
本作の最大の魅力は、思春期特有の揺れ動く自意識を「魔法のリボン」というメタファーで鮮やかに描き出した点にあります。主人公が他者に変身することで得られる客観的な視点は、単なるなりきり遊びを超え、ありのままの自分を受け入れるための成長の儀式として機能しています。矢島晶子氏の瑞々しくも芯の強い演技が、等身大の少女が抱く葛藤と勇気に圧倒的な説得力を与え、見る者の心を揺さぶります。 全編を彩る快活なテンポと、時折覗く切ない詩情の対比も見事です。変身というファンタジーを軸にしながらも、描かれる感情の機微は驚くほどリアルであり、本当の自分を見つけるという普遍的なテーマが深く胸に刻まれます。誰しもが経験する背伸びをしたい季節を全肯定してくれる本作は、時代を超えて輝き続ける青春群像劇の金字塔と言えるでしょう。
脚本: 山田隆司 / 水沢めぐみ
音楽: 川井憲次 / 鈴木豪
制作会社: Gallop