この作品の本質は、死を目前にした悲劇ではなく、今この瞬間を輝かせるために「どう生きるか」を問いかける強烈な生の讃歌にあります。主演のキム・ソナが見せる、抑圧された日常から自己を解放していく繊細かつ力強い演技は、観る者の魂を激しく揺さぶります。人生の有限性を突きつけられた時にこそ輝く、真の幸福への渇望が全編に溢れています。
特に官能的なタンゴのシーンは圧巻で、言葉を超えた情熱と孤独の融和を見事に映像化しています。冷徹な男が愛によって生気を取り戻していく変化を演じたイ・ドンウクとの化学反応も素晴らしく、明日への一歩を迷うすべての人に贈る、究極の「生きるヒント」が詰まった傑作です。