ハンナ・バーベラが生んだ本作の真髄は、極限まで削ぎ落とされたリミテッド・アニメーションの中で弾ける、緻密なコメディのリズムにあります。ドーズ・バトラーによる変幻自在な声の演技は、キャラクターに圧倒的な生命力を吹き込み、視覚的な簡素さを補って余りある豊かな個性を創り出しました。
単なる勧善懲悪に留まらない、西部劇というジャンルを軽やかに解体する批評精神も見事です。自信満々でありながらどこか抜けている主人公と、それを冷静に支える相棒の対比は、現代のバディものにも通ずる普遍的な面白さを備えています。古典としての品格と、時代を超えて色褪せない風刺の効いた笑いに、観る者は心奪われるはずです。