本作の最大の魅力は、単なる対戦アクションの枠を超えた、リュウとケンの「青い未熟さ」と「旅による成長」を丁寧に描くロードムービーとしての質感にあります。辻谷耕史と羽賀研二が吹き込む若々しい情熱は、最強を目指す格闘家という記号に豊かな人間味を与え、彼らが世界の広さと己の無力さを知る過程に強烈なリアリティを宿しています。
原作ゲームが勝利のみを目的とした「点」の体験であるのに対し、本作は修行と挫折の「線」を描く物語へと昇華されています。キャラクターデザインの大胆な若返りや、精神エネルギーとしての波動拳の解釈は、映像メディアならではの肉体的な痛みを伴うドラマを構築しました。強さの定義を自らに問う彼らの姿は、今なお色褪せない青春の熱量を放っています。