本作の真髄は、病名を探し当てるまでの緻密な対話と、患者の人生そのものを治療対象とする人間讃歌にあります。主演の松本潤が見せる静謐かつ情熱的な演技は、効率化が優先される現代医療において「人を診る」という行為の尊さを鮮烈に描き出しました。
原作漫画が持つ専門的な知見を、映像ならではの「沈黙」や「眼差し」によって血の通ったドラマへ昇華させた演出が白眉です。小芝風花や新田真剣佑が放つ瑞々しい表現力は、誌面の行間にある患者の孤独や希望を、確かな体温と共に伝えてくれます。情報の伝達を超えた魂の交流を体験できる、実写化の理想形がここにあります。