本作の白眉は、アニメーションと実写映像を融合させた画期的な演出にあります。実写が放つ圧倒的なリアリティが、視聴者を未知なる東方へ誘い、野沢雅子、富山敬、神谷明という至宝級の演者による熱演が、歴史の奔流を生きる人間ドラマに血肉を通わせています。
原作「東方見聞録」という記録を、映像ならではの躍動感で体感する冒険へと昇華させた点も見事です。文字では捉えきれない広大な異国の熱気を鮮烈に描き出し、文化の衝突と融和という普遍的テーマを浮き彫りにしています。正に映像メディアだからこそ到達できた、壮大な歴史叙事詩の傑作といえるでしょう。