本作の真髄は、失恋の痛みを自己形成の糧として肯定する瑞々しい感性にあります。主演のカルラ・セーンが見せる不器用で繊細な演技は、観る者の古傷を優しく撫でるような説得力に満ちています。他者の拒絶を通じて自分というパズルのピースを埋めていく心理描写の妙が、単なる恋愛劇を超えた深い共感を呼び起こします。
マルメの街並みに溶け合う、孤独と連帯の描き方も秀逸です。過去の男たちの残像を乗り越え、女友達との絆を杖に自分自身を愛し始める瞬間の映像美は圧巻。鑑賞後、失敗だらけの人生さえも抱きしめたくなるような、再生のエネルギーに満ちた珠玉の人間ドラマです。