あらすじ
舞台は宇宙人がうじゃうじゃいることが 当たり前になってしまった近未来マザーシップで大挙してやってきた宇宙人たちは、頭に標準装備したアンテナで意志の送受信が 出来ることと,耳がとがっている事以外は何ら地球人と変わりなかった。優れた環境適応能力を発揮して、 うやむやのうちに地球の日常に馴染んでしまい、人間達もうやむやのうちにそれを受け入れてしまった。
宇宙人バブルもはじけちゃった、そんな感じ。そんな時代の下町荏の花地区 荏の花湯。そこに下宿するまじめな予備校生まゆ子と自由きままな宇宙人ニアとのなんともへたれな日常を描く。。。
作品考察・見どころ
本作の真髄は、異質な存在が日常に溶け込んだ風景を、徹底して生活の匂いとして描き出した点にあります。格差や疎外感という重いテーマを内包しながらも、銭湯や安カレーといった貧乏暮らしの細部が放つ愛おしさが、観る者の心に深い郷愁を刻みます。川澄綾子の静謐な演技と宮村優子の爆発的な熱量が混ざり合い、言葉にできない孤独と救いのダイナミズムを体現しています。
何も起きない日々の尊さを肯定する本作は、異質な他者との共生を、隣で飯を食うという身近な営みを通して描いた傑作です。無価値とされる存在に光を当てるその眼差しは、停滞感に悩む私たちの乾いた日常を優しく、そして力強く肯定してくれるのです。放送から時を経ても色褪せない、魂を震わせる抒情詩をぜひ体感してください。