本作の真髄は、エロティシズムを芸術へと昇華させたミーラー・ナーイル監督の卓越した審美眼にあります。16世紀インドの絢爛豪華な世界で描かれるのは、階級社会に抗う女性たちの誇りと魂の解放です。画面から溢れ出す鮮烈な色彩と情緒的な音楽は、愛の本質が肉体の交わりを超えた精神の自由にあることを力強く示唆しています。
インディラ・ヴァルマとサリタ・チョウドリーが魅せる、情念のコントラストが効いた演技も圧巻です。嫉妬と権力が交錯する濃密な人間ドラマを、これほど官能的かつ知的に描き出した映像美は、まさに唯一無二。運命に翻弄されながらも自らの愛を貫く女性たちの姿は、時代を超えて観る者の五感を激しく刺激し、心に消えない余韻を残します。