ロバート・スタックが演じるエリオット・ネスの、冷徹なまでに揺るぎない正義感とストイックな佇まいが、この作品の背骨を貫いています。全編を覆うフィルム・ノワール調の陰影に富んだ映像美は、法と暴力が激突する狂乱の時代を鮮烈に描き出し、単なる刑事ドラマの枠を超えた重厚な叙事詩としての風格を漂わせています。
ウォルター・ウィンチェルの緊迫感溢れるナレーションが、物語に実録のような切迫感を与え、観る者を一気に闇の深淵へと引き込みます。不浄な誘惑を撥ねつけ、孤独な戦いに身を投じる男たちの高潔な魂と、崩れゆく秩序を守り抜こうとする強固な意志の衝突こそが、時代を超えて観客の胸を熱くさせる本作の真髄と言えるでしょう。