あらすじ
現代より少し未来。偉人軍団による“人類淘汰作戦”の事件から数年後。香港のとある街に一軒の探偵事務所があった。その名も『三姉妹探偵社』。そこにいる三人の美人(?)姉妹は、本にまつわる事件の解決のため日夜活動していた。彼女たちの名はアニタ、マギー、そしてミシェール。無類の本好きである長女ミシェール、次女マギーのみならず、大の本嫌いの末妹アニタまで、実は「紙使い」の特殊能力を持っていた。そんな能力を使ったり使わなかったりして依頼を次々にこなす彼女たちに舞い込んできた事件とは…?
作品考察・見どころ
本作の真髄は、紙という日常的な素材を究極の武器へ昇華させた独創的なアクション演出にあります。縦横無尽に舞う紙片が巨大な翼や防壁へと変貌を遂げる映像美は圧巻で、アニメーションでしか成し得ない躍動感に満ちています。単なる能力バトルに留まらず、本を愛する者たちの狂おしいほどの情熱が、画面から溢れ出す知的な高揚感を生み出しているのです。
物語の核をなすのは、血の繋がりを超えた三姉妹と作家が紡ぐ繊細な心の機微です。斎藤千和ら名優たちが吹き込む魂は、孤独な個が言葉を通じて共鳴し合う過程を鮮烈に描き出します。本作は、デジタル時代にこそ再確認すべき物語が持つ力と、絆の尊さを真正面から描いた、極めて濃密で情熱的な人間ドラマの傑作です。