あらすじ
舞台は1937年、上海。8月13日、日本軍上海陸戦隊は突如謎の敵、エイリアンに襲撃される。辛くもこれを退けることには成功するも、敵のロボット兵士の残骸から、プログラムを自己増殖する機能を持ったユニット“モジュール”が発見され、列強各国はエイリアンのテクノロジーと第二次世界大戦前の技術・機械を併用した巨大ロボット兵器『機神』の開発に成功する。第二次世界大戦前夜、暗雲立ち込める世界に突如としてもたらされた未知のテクノロジーにより、今、誰も想像していなかった未踏の歴史が始まろうとしていた。
作品考察・見どころ
本作の真髄は、第二次世界大戦下の歴史観と空想科学が見事に融合したレトロフューチャーな美学にあります。手描きアニメ黄金期特有の密度で描かれる鋼鉄の巨神たちの咆哮は、広中雅志氏ら名優の熱演と相まって、運命に抗う戦士たちの魂を震わせる重厚なドラマを構築しています。
山田正紀氏の原作小説が持つ緻密なSF設定を継承しつつ、映像版では巨神の質量感を強調したダイナミズムが際立ちます。文字による高度な考証が、息を呑むスペクタクルへと昇華された本作は、未知の脅威に知恵と勇気で挑む人間の矜持を謳い上げた、冒険譚の傑作と呼ぶに相応しい一作です。