カイラ・ハリスが放つ、生々しく知的なユーモアが本作の真骨頂です。障害という題材を安易な感動に落とし込まず、欲望や嫉妬、人間関係の「ままならなさ」を痛快なコメディへ昇華させています。俳優陣の絶妙な掛け合いと、日常を鮮烈に切り取る演出は映像作品ならではの躍動感に満ちています。
本作が突きつけるのは、真の自立とは他者との「不完全な共存」を受け入れることだというメッセージです。不器用な愛しさと滑稽さが同居する物語を通じ、自らの脆さを肯定する勇気を与えてくれます。人間味溢れる生の実感が凝縮された、魂を揺さぶる傑作です。