本作の真髄は、原始時代という極限の舞台で現代人の滑稽さを鮮烈に風刺した点にあります。ミハイル・ガルスチャンの圧倒的な身体表現と、スヴェトラーナ・ホドチェンコヴァの意外性に満ちたコメディセンスの衝突は、観る者の予想を心地よく裏切り続け、全編にわたって強烈なエネルギーを放っています。
文明の皮を剥いだ先に残る人間の純粋な愛おしさを浮き彫りにする演出が見事です。洗練された映像美と大胆な笑いが共存する本作は、当たり前の価値観をユーモアで解体し、真の生の躍動感を突きつけてきます。不自由さの中にこそ宿る人間のたくましさに、魂が揺さぶられることでしょう。