この作品の真髄は、モラトリアムの渦中にいる若者たちの揺らぎを、痛快なユーモアと切実な情熱で描き切った点にあります。ダヴ・ティフェンバックをはじめとする実力派キャストが体現する「何者でもない自分」への焦燥と、それすらも謳歌しようとする剥き出しの生命力のコントラストが、観る者の胸を熱く焦がします。
映像の端々に宿る自由奔放なリズムは、行き止まりの日常さえも鮮やかな冒険に変えてしまう魔法のようです。タイトルが示す通り、空っぽの空間に何を埋めるべきか葛藤する彼らの姿は、不確かな現代を生きる私たちへの力強いエール。予定調和を拒む演出と、生々しい感情の機微を捉えたカメラワークが、忘れかけていた瑞々しい感性を揺さぶり起こしてくれるでしょう。