閉塞感漂う潜水艦内を舞台にした本作は、光と影の巧みな演出によって、死と隣り合わせの極限状態にある人間の心理を容赦なく抉り出します。深淵とは単なる海の深さではなく、極限で露呈するエゴイズムと自己犠牲の狭間で揺れる、底知れぬ「人間性」そのものを象徴しているかのようです。
マッシモ・ジロッティらの抑制された、しかし魂を削るような名演は、静寂の中に凄まじい緊迫感を生み出しています。戦争という不条理の中で、尊厳を守ることの困難さと高潔さを問いかけるその重厚なメッセージは、時代を超えて観る者の胸を激しく揺さぶることでしょう。