あらすじ
スウェーデンの伝統行事、ミッドサマーを祝うために集まったカリーナとその家族。ところが、長年の秘密が明るみに出るにつれ、楽しいはずの行事は台無しになる。
作品考察・見どころ
北欧の白夜がもたらす幻想的な光景と、その裏側に潜む痛烈な人間心理のコントラストが本作の最大の魅力です。祝祭の華やかさが、長年隠し通してきた嘘や感情の軋みをあぶり出していく演出は、静かな湖面に石を投じるような鋭い緊張感に満ちています。沈まない太陽の下、逃げ場を失った秘密が白日の下に晒されていく様は、観る者の心に深い戦慄と共感を呼び起こすでしょう。
ペルニラ・アウグストをはじめとする実力派俳優陣の、抑制の効いた熱量の高い演技が、作品の質を芸術の域へと引き上げています。家族という最も親密で、時に最も残酷な共同体を、北欧特有の透き通るような映像美と共に解剖していく本作は、真実を語ることの救いと痛みを鮮烈に描き出しました。愛と嘘の狭間で揺れる魂の叫びに、誰もが自身の内面を見つめ直さずにはいられないはずです。