あらすじ
バルセロナに移住し、平穏な生活を送っていたイギリス人女性。だがその日常は、スーパーで強盗事件に遭遇し、彼女の秘密と暴力的な過去が暴かれたことをきっかけに狂い始める。
作品考察・見どころ
本作の真髄は、バルセロナの眩い太陽の下で繰り広げられる、平穏な日常と凄惨な暴力の鮮烈なコントラストにあります。教師であり母である主人公が、愛する者を守るために封印したはずの「怪物」を呼び覚ます。その葛藤と変貌の過程に、過去の因縁から逃れられない人間の根源的な恐怖と、アイデンティティを懸けた闘いが見事に昇華されています。
主演のエビン・アフマドが見せる、野性的かつ繊細な演技は圧巻です。守るべき幸せのために冷徹な殺人技術を振るう彼女の瞳からは、悲哀と覚悟が溢れ出し、観る者の心を激しく揺さぶります。これは単なるアクション劇ではなく、仮面を剥ぎ取った先に現れる「真実の自己」を問いかける、魂の叫びを体現した野心作です。