本作の真髄は、九十年代末という時代の転換期に漂っていた特有の焦燥感と、それを吹き飛ばすような圧倒的なコメディ・アンサンブルの熱量にあります。単なる笑いの提供に留まらず、人生の岐路に立つ者が抱くアイデンティティの揺らぎを、ウィットに富んだ鋭い対話劇として昇華させている点が白眉です。
特筆すべきは、後にスターへと登り詰めるウィル・アーネットやケイト・ウォルシュが見せる、粗削りながらも強烈な光を放つ演技の火花です。友情のなかに潜む繊細な真実を、絶妙な間と表情の機微で描き出す演出は、今なお鮮烈な印象を残します。大人になりきれない魂の愛おしさを、映像という表現で見事に結晶化させた一作と言えるでしょう。