本作が放つ最大の魅力は、80年代のサタニック・パニックという異常な社会情勢を背景に、人間の内面に潜む根源的な恐怖と群衆心理の危うさを鋭く抉り出している点にあります。単なるオカルト・ミステリーの枠を超え、デマや偏見がどのようにコミュニティを侵食していくかという現代的なテーマを、重厚かつスタイリッシュな映像美で描き出しています。
ジュリー・ボーウェンやアンナ・キャンプら実力派が見せる、静かな狂気と焦燥感を孕んだ演技は圧巻です。若者たちの青い衝動と、大人たちの過剰な防衛本能が衝突する瞬間の火花は、観る者の心を激しく揺さぶります。未知の恐怖に直面した際の「人間の本性」を冷徹に、かつ情熱的に問いかける、知的な刺激に満ちた一作です。