あらすじ
本作は、気持ちは冷めきっているが、それぞれの事情ですぐには離婚できない一組の夫婦が、一致団結して「離婚」という揺るぎない目標に向かっていくホームコメディ。
作品考察・見どころ
本作の真髄は、宮藤官九郎と大石静という稀代の脚本家がタッグを組み、政界と芸能界という虚飾の世界を舞台に「離婚」という名の自己再生を描き出した点にあります。世間体や利害関係に縛られた夫婦が、決別を目標に一致団結するという逆説的な構造が、滑稽でありながらも、現代社会における個の在り方を鋭く問い直しています。
松坂桃李の情けないが憎めない絶妙な演技と、仲里依紗の圧倒的なエネルギーがぶつかり合う様は圧巻です。さらに錦戸亮の放つ危うい引力が、物語に予測不能なエロティシズムと深みを与えています。単なるコメディの枠を超え、虚像を剥ぎ取った先に残る真実の愛の形を、毒とユーモアで見事に描き切った傑作です。