マラガでひとりの少女が失踪する事件が発生。若い新聞記者は何としてでも真実を明らかにし、少女の家族のために事件を解決しようと危険を承知で調査に乗り出す。
この作品の核心は、静謐な狂気と呼ぶべき執念の描写にあります。ミレナ・スミットが見せる、自らの消えない傷を抱えながらも真実を追い求める危うい演技は、観る者の心を激しく揺さぶります。情報の渦の中で埋もれていく個人の悲劇を、映像は冷徹かつ叙情的なカメラワークで捉え、失われた時間への慟哭を見事に表現しています。 原作小説ではニューヨークだった舞台をスペインのマラガへと大胆に変更した点が見事な昇華を生んでいます。祭りの熱狂と子供が消えた瞬間の静寂という鮮烈なコントラストは、映像だからこそ成し得た視覚的衝撃です。文字では描ききれない空白の年月という重みを、演出と色彩の変遷で描き出した、極上のミステリーといえるでしょう。
脚本: Javier Castillo
制作会社: Atípica Films