主演のヤオ・チェンが放つ、既存の母親像を根底から覆すパンクロック精神が本作の魂です。ボロボロになりながらも己の美学を貫くヒロインの姿は、単なるドラマの枠を超え、観る者の魂を激しく揺さぶります。尖ったエッジと情熱が同居する彼女の演技は、人生のどん底から再び立ち上がる人間の凄まじい生命力を鮮烈に体現しています。
母娘の関係をロックを通じて描き出す演出も秀逸です。互いに傷つけ合いながらも共鳴する二人の姿は、予定調和な家族愛へのアンチテーゼであり、自分らしく生きることへの喝采でもあります。不器用で剥き出しの感情が交錯する瞬間、映像は音楽と共に高揚し、理屈を超えた解放感と深い感動をもたらしてくれるでしょう。