あらすじ
エルピス(Elpis)とは? 古代ギリシャ神話で、中からさまざまな災厄が飛び出したと伝えられる「パンドラの箱(壺)」に唯一残されていたものとされ、良きことの予測として【希望】、悪しきことや災いの予測として【予兆・予見】とも訳される言葉。このドラマでは、真相に迫っていく過程で登場人物たちはさまざまな「希望」を見出すが、自身やその周囲、所属する組織に対し、痛みや破綻といった「災い」も降りかかる。はたして、彼らがパンドラの箱を開けたことでもたらされる混沌の先に残されているのは、希望か、それとも災いか。
作品考察・見どころ
本作が暴き出すのは、組織の軋轢や権力の闇という巨大な構造物であると同時に、そこに安住してしまう我々自身の正しさへの疑念です。長澤まさみが体現する崩壊寸前の矜持と、眞栄田郷敦の剥き出しの焦燥、そして鈴木亮平が放つ底知れぬ凄み。三者の火花散るアンサンブルが、真実を追うことの痛みを鮮烈に描き出します。
パンドラの箱の底に残った希望が果たして救いなのか災いなのか。鋭利な脚本と、映画的な陰影を湛えた映像美が、視聴者の倫理観を激しく揺さぶります。沈黙を強いられる社会で、声を上げることの代償とその先にある光を直視させる、テレビドラマの枠を超えた渾身の傑作です。