“悪事を働く、善人たち。”
バスを乗っ取ろうとした3人の強盗が、逃走前に射殺された。車内にいた目撃者は全員、「フードの男に救われた」と証言し、事件の捜査が進むとともにヒーローと犯罪者の線引きは難しくなっていく。
本作の真髄は、善悪の境界線が溶解していくスリルと、観る者の倫理観を激しく揺さぶる心理的な緊迫感にあります。目撃者全員が共犯者とも言える特異な状況下で、法的な正義と大衆が望む「裁き」の乖離を鋭く描き出す演出は圧巻です。密室のような緊張感が漂う尋問シーンの連続は、まさに息もつかせぬ没入感をもたらします。 パブロ・モリネロをはじめとする実力派俳優陣の静かながらも熱を帯びた演技は、真実の裏側に潜む人間の業を浮き彫りにしています。社会的な正義とは何か、そして「あなたならどうするか」という究極の問いを突きつける本作のメッセージ性は、単なるミステリーを超えた深い余韻を残すでしょう。
監督・制作: ヨルディ・バジェホ / ダビド・ビクトリ
音楽: Adrián Foulkes
制作会社: Espotlight / Legendary Global España Holdings