あらすじ
時はバブル期。山代玉子(泉ピン子)は、関西の廃れた温泉旅館「はなむら」の主人・花村清太郎(藤岡琢也)の後妻に入る。女将として奮闘する玉子だが、仲居や義理の姉から敵視され、義理の娘・裕子(桜井幸子)たちとは主導権争いが絶えない。しかし、旅館のために尽力する玉子の姿は、裕子の心に変化をもたらし、やがて2人で力を合わせて旅館を支えることに。逆境を乗り越えていく女たちの戦いを描いた物語。
作品考察・見どころ
この作品の真髄は、老舗旅館という閉塞感のある世界で火花を散らす、女たちの剥き出しの生命力にあります。泉ピン子が見せる凄みのある執念と、桜井幸子の芯の強さが正面からぶつかり合う様は、単なる対立を超えた「個の尊厳」をかけた魂の共鳴です。伝統という重圧の中で、自らの足で立とうとする彼女たちの気高さは、観る者の胸を熱く焦がします。
さらに藤山直美をはじめとする布陣が、物語に豊潤な血肉を与えています。滑稽さと悲哀が表裏一体となった人間模様は、まさに人生そのもの。理不尽な現実を笑い飛ばし、泥臭くも凛として突き進むその「度胸」こそが、不透明な現代を生きる私たちに勇気を与える普遍的なメッセージなのです。