武装集団が精神科矯正施設を包囲し、その施設に収容されている連続殺人犯の引き渡しを要求。誰も想像していなかった戦いの一夜がいま幕を開ける。
本作が放つ最大の魅力は、限られた空間と時間の中で極限まで高められる、息を呑むような緊張感の持続にあります。閉鎖的な舞台を最大限に活用し、暴力と心理戦が重なり合う演出は、観る者を一瞬たりとも離しません。善悪の境界線が曖昧になる混沌の中で、人間の本能が剥き出しになる圧倒的な没入感こそが、本作の真骨頂です。 アルベルト・アマンとルイス・カジェホが繰り広げる、火花を散らすような演技の応酬は見事です。守るべきものと倫理の間で揺れる葛藤は、正義の脆さを突きつけます。究極の選択をテーマに据えた本作は、アクションの枠を超え、人間の内面に潜む闇を鋭く抉り出す、極めて重厚なドラマへと昇華されています。
監督・制作: Víctor Sierra / Xosé Morais
制作会社: LAZONA