あらすじ
若さと希望に満ちた朝日野町の商店街にあるシャレたお好み焼屋「まんぼう」。
看板娘の八重子(通称やっこ)は江戸っ子気質の父親と2人暮らしで昼は店を手伝い夜は高校へ通う孝行娘。
その隣町のアパートには、メッシュ髪をした大学生の剛と青いパーマ頭をした5才の橋蔵兄弟と、フテブテしく太った猫のジュリアーノが住んでいた。
或る日、橋蔵とジュリアーノは、剛から行っては行けないと注意されていた朝日野町へ出掛けてしまい、迷子になって挙げ句雨にまで降られてしまった。
橋蔵とジュリアーノを中心に、八重子と剛の乙女チックなラブロマンスが、明るい笑いの中で描かれている。
作品考察・見どころ
本作の最大の魅力は、八〇年代初頭の情熱的なロックシーンと下町の素朴な情緒が交錯する鮮烈なコントラストにあります。堀江美都子氏をはじめとする豪華声優陣の熱演が、夢と恋に揺れる若者たちの葛藤に圧倒的な生命力を吹き込んでいます。単なる恋愛劇に留まらない、自己実現へと突き進むエネルギーの奔流こそが、時代を超えて観る者の心を震わせる本質的な価値と言えるでしょう。
多田かおる氏の原作を映像化するにあたり、アニメ版が果たした最大の功績は音の具現化です。紙面では想像するしかなかった劇中バンドの楽曲が、実際に耳へ届くメロディとして構築されたことで、物語のリアリティは飛躍的に高まりました。映像ならではの演出がライブの熱狂と切ない情感を増幅させ、原作の持つポテンシャルを究極のエンターテインメントへと昇華させています。