喜劇王マック・セネットが若き日に見せた、身体表現の極致とも言える躍動感が本作の最大の魅力です。言葉に頼らずとも、大げさな身振りや表情だけで人間の滑稽さと愛らしさを描き出すその手腕は、まさにコメディの原点。後のエンターテインメント史を形作る革新的なエネルギーが、画面の隅々にまで満ち溢れています。
老いゆえの疎外感をユーモアで突破しようとする情熱的なメッセージは、時代を超えて観る者の胸を打ちます。ハリー・ソルターやジョージ・ゲバートとの絶妙な掛け合いが、単なるドタバタ劇に深い人間ドラマの陰影を与えており、一瞬の動きの中に凝縮された生への渇望に酔いしれること間違いなしの珠玉の一作です。