キム・ヒエという稀代の名優が放つ、凍てつくような孤独と情熱が本作の核です。母娘の愛憎という普遍的テーマを、冷徹なまでに研ぎ澄まされた演出で描く手腕には目を見張ります。作家としての矜持と、母親としての無力感の間で激しく揺れ動く感情の機微は、観る者の心を深く抉り、息を呑むほどの緊張感を全編に漂わせています。
美しくも儚い雪の花のように、崩壊寸前の関係にこそ真実が宿るという逆説的なメッセージが胸に迫ります。衝突し合う魂が絶望の果てに見出す光。コ・アラやキム・ギボムらの痛切な熱演が、静謐な映像美を突き破る情動を呼び起こし、愛という名の絆が持つ残酷さと崇高さを鮮烈に知らしめる重厚な人間ドラマです。