ジョン・クリーズという稀代の表現者が、私たちの最も身近な謎である「顔」を、科学とユーモアの絶妙なブレンドで解き明かす知的冒険の傑作です。単なる学術的な解説に留まらず、クリーズ特有のウィットに富んだパフォーマンスが、進化論や心理学といった重厚なテーマを驚くほど鮮やかで親しみやすいエンターテインメントへと昇華させています。
映像が捉えるのは、表情の微細な変化が紡ぎ出す言葉なきコミュニケーションの深淵です。美の定義やアイデンティティの根源を問い直す演出は、視聴者の自己認識を揺さぶり、鏡の中の自分を全く新しい視点で見つめ直させてくれるでしょう。人間の本質を視覚的に探求する、情熱と洞察に満ちたドキュメンタリーの到達点といえます。