本作の真髄は、音楽を世界を揺り動かす物理的なエネルギーとして描き出した独創的な視覚演出にあります。異なるリズムが激突する瞬間の描写は、アニメーションならではの極彩色なエフェクトと疾走感溢れるカット割りによって、視聴者の五感を激しく揺さぶります。音が形を持ち、空間を支配していく際の高揚感は、まさに映像表現の極致です。
また、商業主義や抑圧に抗い、自由な創造性を貫こうとする姿勢は、現代の表現者たちへ向けた熱い賛歌です。音楽とは魂の叫びであるという普遍的なテーマが、劇中のサウンドと見事にシンクロしています。音を楽しむ根源的な喜びを、これほどまでに熱量高くスタイリッシュに表現した作品は他に類を見ないでしょう。