あらすじ
1969年、1人の野心的な女性がアメリカで最も排他的でお洒落なパームビーチの上流社会で地位を確保するために、階級の狭間で不可能と思われた一線を越えようとした。
作品考察・見どころ
1969年のパームビーチを舞台にした本作は、階級社会の最上層へ食い込もうとする人間の業と孤独を、鮮烈なパステルカラーで描き出した極上の風刺劇です。クリステン・ウィグが体現する、執念と空虚さが同居する主人公の危うい魅力は圧巻。彼女の喜劇的な振る舞いの裏側に潜む「持たざる者」の切実な渇望が、観る者の心を激しく揺さぶります。
豪華な衣装や美術が織りなす圧倒的なビジュアルの美しさは、排他的な上流社会の残酷さを際立たせる見事な装置となっています。リッキー・マーティンをはじめとする実力派キャストが魅せる、仮面の下の素顔と滑稽なまでの野心。自分を偽ってまで居場所を求めることの是非を問うこの物語は、現代を生きる私たちが直面するアイデンティティの葛藤を見事に射抜いています。