誰にも言えない秘密を抱え、マドリードに越してきた家族。一からやり直そうと新たな人間関係を築いていくが、思うように計画が進まないばかりか、過去が少しずつ明らかになっていく。
本作の真髄は、狂気的なまでに洗練された色彩美と、日常の裏側に潜む歪んだ母性の描き方にあります。主演のナワ・ニムリが放つ圧倒的なカリスマ性は、画面を支配する緊張感を極限まで高めており、完璧に見える家族の肖像が崩壊していく様は、美しくも毒々しい芸術品を鑑賞しているかのような背徳感をもたらします。 愛ゆえの執着が招く悲劇を通して、本作は家族という幻想の正体を鋭く問いかけます。守るべきもののためにどこまで堕ちることができるのか。その極限の選択が観る者の倫理観を揺さぶり、一度足を踏み入れれば抜け出せない、息を呑むような中毒的魅力に満ちた一作です。
監督・制作: Manolo Caro
制作会社: Woo Films