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潜水艦Uボートという逃げ場のない鉄の棺桶。本作が描くのは、英雄譚としての戦争ではなく、油にまみれた剥き出しの人間性です。極限の閉塞感が生み出す緊張感は、観る者の呼吸を奪うほど圧倒的であり、音響と映像が「深海の地獄」を完璧に再現しています。ユルゲン・プロホノフ演じる艦長の、虚無と責任を湛えた眼差しは、戦争の本質を冷徹に問いかけます。 大義を削ぎ落とし、ただ生き延びることを目的とした人間の根源的な恐怖を描き切った点に、本作の真骨頂があります。ドラマ版の長尺を活かした描写は、極限状態での兵士の摩耗を克明に映し出します。勝利の裏にある虚無感を見事に捉えたこの傑作は、時代を超えて反戦の祈りを突きつける、映像史に刻まれるべき金字塔です。
監督・制作: Wolfgang Petersen
脚本: Wolfgang Petersen / Lothar-Günther Buchheim / Dean Riesner
制作会社: Bavaria Film / ARD