80年代メキシコの華やかなミスコンの舞台裏を描く本作は、美の追求という光の背後に潜む、どろどろとした権力闘争と搾取の構造を容赦なく暴き出します。単なるサスペンスにとどまらず、女性の身体が政治的・商業的な消費財として扱われる現実を、冷徹かつ官能的な映像美で描き切った演出が白眉です。
ヒメナ・ロモら実力派キャストが、システムに取り込まれながらも自己を失うまいと抗う複雑な女性像を熱演しています。個人の尊厳が組織の論理に塗りつぶされていく絶望の中で、彼女たちが手にする連帯の重みが、現代社会にも通じる鋭い問いを突きつけ、観る者の心に深い爪痕を残す名作です。