本作の真髄は、狂気の象徴であるスティーヴォーが治療者を演じるという究極の配役の妙にあります。洗練された改善番組とは対極をなし、痛みと恥を伴う荒療治で内なる臆病さを破壊するプロセスは圧巻です。予測不能な彼の身体的表現は、観る者の固定観念を打ち砕く爽快感を与えてくれます。
トリシェルとの掛け合いが添えるリアリティと、カオスの中に宿る奇妙な説得力も見逃せません。単なる悪ふざけの先にあるのは、自分を曝け出し恥を捨てることで得られる魂の解放です。常識の枠を壊し、剥き出しの自分で生きることの尊さを突きつける、粗削りで情熱的な人間賛歌と言えるでしょう。