あらすじ
かたや、今や全国展開している、横浜元町の大きなジュエリーショップの娘。みんなに愛され、スクスクと育った大輪の花のような女の子・ナオ(綾瀬はるか)。かたや、場末の傾きかけた町工場の息子・ヒロト(亀梨和也)。父親は小さい頃に亡くなり、母と体の弱い弟と何とか生きてきた。こんなふたりが出逢い、やがて恋に落ちる。彼の冷たくかじかんだ心も、彼女のまっすぐな笑顔に溶けていく。・・・そんなふたりの、たったひとつのラブストーリーを、数々の名作ドラマを生み出した脚本家・北川悦吏子が描き出します。ちょっと切なくて、優しくて、そして何よりもドキドキする、王道を行くラブストーリー・・・。たったひとつの恋。
作品考察・見どころ
横浜の夜景を背景に描かれる本作は、身分差という古典的なテーマを現代の孤独と希望に昇華させた至高の純愛ドラマです。亀梨和也の繊細な影と、綾瀬はるかの透明感あふれる光の対比は、理屈を超えて観る者の胸を激しく締め付けます。単なる恋愛劇に留まらず、運命に抗い「ただ愛すること」の尊さを説くメッセージ性は、今なお色褪せない輝きを放っています。
原作が持つ詩的な情緒を、映像という媒体が見事に拡張している点も白眉です。活字では捉えきれない造船所の鉄錆の質感や、言葉以上に雄弁な二人の視線は、映像でしか表現し得ない圧倒的な熱量を帯びています。静謐な空気感と感情の爆発が完璧な調和を見せ、観る者の心に深い余韻を刻み込む傑作です。